碧い西日はかなたより 流れ過ぐゆめのうつわ

橋わたす星林の枝葉たち 帳のひかりに帰し五月闇
宙をころめく心の繭となる
魚眼の時計のなか
わたしの瞼のよう 降り積もる砂丘で
しじまはそっとお茶を潅ぐ

背を灼く吊下燈
指を削る衒学書
髪を梳く好奇の眼
蔓延る流煙の香

ここにはもうないから

しつらえの腕は胸の上でとまり 一片の雲々は泡沫
グラスの眸でわたしを抱く
星のくちびるで頬をすり
相変わらぬ表情は野薔薇の産毛
淵に廻り みたび流れ過ぐゆめは綺羅のつまびき

孤描く間に 埋める飴形の関節、こつり 音と染む


月影の睫のもと わたしたちは笑いあう
これほど柔き肌はなし、と
・・・・・
theme :柔らかな肌 - Dilettante/ALI PROJECT
photo :-寡鳴夜-
lyrics:yuqwe.(-寡鳴夜-)

好事家であれば誰もが…最後のこの一曲に身を委ねたのではないか
そう思い、詞のないこの柔らかな肌にひとつ添えつけました。

穏和で優美なメロディとは裏腹に
私にはとてもとても(閉塞的な)孤独の曲に聴こえるのですが
千差万別でしょうか


ぜひ聴きながら読みといていただければ、嬉しく思います。
(C) ALI PROJECT Dilettante NET 2013