酔芙蓉の糠突く葉擦れ 秋雨の地に橋渡し漫ろ
混り気なき瑞祥は金いろの機織り
香に落つ胸の櫃 梢に凪ぎて空と閉ず

矍鑠の木々は淡く 月冷えの記憶によりて
なずむ郷愁に手向けのことだま

踵を返す遠景の声 今も遠きあの日の土の底


霜降は先細り切れ々々 柊木犀の葉翳に睡り
過ぎては消えゆ頃日に歪みを知る
唯一つの焦がれ抱き 唯一つの嘘も流しましょう

花盛りの日々は森閑 幾つ辿りて揺蕩いの遥か
尚も痞える言の葉に手向けてください

瞼埋める桂花のかいな 今も遠きあの日の馨り
・・・・・
theme:桂花葬 - ARISTOCRACY/ALI PROJECT
photo:-寡鳴夜-
lyric:yuqwe.(-寡鳴夜-)


人が永遠の眠りにつくとき、或いは自分自身が眠るとき
その思い出と記憶や夢は何処に往くのでしょうか
共に土底に収められて、陽の目を見ることなく閉じられているのでしょうか…?

人を弔うということに、私は云い表し様のない罪悪感を覚えるときがあります
それでも誰も、悼むことを無駄とは教えません
きっとこれから先も、それを味わうであろう人々でさえも。
(C) ALI PROJECT Dilettante NET 2013